2006年05月02日

Einsteinプロジェクトの意味

newton apple.jpg

遅蒔きながら富田倫生氏の「青空のリスタート」を読んだ。ソニーの手書きパームトップの章に面白い話が書いてあったので以下、長文で引用させていただく。

日本で広まってきた「ペン入力」という呼び名には、「キーボードに代えて電子ペンで文字を入力する」ことにバランスを欠いて重心がかかっているように思う。より実体に近いのは、「ペン操作」だろう。

今後もまとまった文章を作る際の道具は、キーボードであり続ける。手書きコンピューターが生きるのは、おかしな言い方になるが書くことがほとんど必要ない分野だ。文章作成を例にとれば、ともかくズンズン書いて行く段階ではキーボードである。しかしいったん書き上がった文章を見直し、前後を入れ替えたり字句を訂正したりといった推考の段階では、手書きが生きる。

電子ペン一本持ってディスプレイと向き合い、引っ掛かった箇所に直接修正を加え、場合によっては短めの文章を入力する。マウスとキーボードの持ち替えといった、道具の側のつごうに強いられたわずらわしさからは、おさらばだ。

手書きはキーボードを駆逐する類の技術ではない。いってみれば、新しい世界に踏みだしていこうとするコンピューターに与えられたパス・ポートのようなものだ。

パーソナルコンピューターはタイプライターを真似ることで、大成功を収めた。しかしだからといって何から何までタイプライターでやろうとするのは、洗濯機で調理から掃除から電話の応対までやらせようとする類のマンガである。にもかかわらず我々は今、表作りからイラスト描き、音楽まで無理矢理タイプライターでこなそうとしている。あらためて立ち止って見れば、それはやはり無茶というものだ。

ではタイプライターの世界から次の一歩を踏みだすとして、どんな環境の真似っこがより大きな貢献をもたらすだろう。そう問われれば、我々が表現したり考えたり数字をいじくったりする際、ごく一般的にお世話になっている紙とペンの環境だろうと、誰もが思い付く。

ただし紙―ペン環境への移行に際しては、どうしても乗り越えておかなければいけない壁があった。それが手書き文字の認識だ。文字も入らないんじゃ、紙―ペン環境も糞もないからだ。

ただしもう一方で、我々はすでにタイプライターを真似たマシンで文章を大量に叩き込む訓練も積んできている。より幅広い世界を包含する紙―ペン環境を使いこなしの基本としたとしても、必要とあらばそこにキーボードをくっつける一手だろう。

もちろんユーザーの書き癖を覚えるなどして、手書きマシンには認識率をどんどん上げていって欲しい。認識のミスなしにどんどん入れば、それにこしたことはない。ただしそれにしても、手書き文字の認識は紙―ペン環境へのパス・ポートである事情には変わりない。

- 富田倫生「青空のリスタート」より -

ジェスチャー、遅延認識、Newtonキーボード。そんな言葉達が思い起こされてくるね。

現行のWindowsXP Tablet Edition は OSがペン操作をハンドリングしてくれないので使いにくい、と以前書いた。ペン操作をハンドリングしているのはアプリケーションであり、IMEであり、各種 APIである。これは UMPCでも同じだろう。
使いにくさの原因は、OSが「手書き」というユーザー・エクスペリエンスを提供してくれないために、ペン操作に対しての連続性が確保されていないからだ。一貫性はあるのかもしれないが、操作が滑らかではないのである。以前これを「タッチの差」と表現したと思う。

「操作が滑らかではない」というのは、Newtonを使った事の無い人には理解できないかもしれない。

Newtonは、その認識精度やハンドリング・インターフェイスなどを含めても、現行のWindowsXP Tablet Edition より、いまだに、格段に使いやすい。「このデータをどうする?」というオブジェクト指向的な体系でペン操作できる連続性を持っているため、次のアクションを連想しやすいというのも操作の滑らかさを助長している。

最近は Ajaxにしろ Web2.0にしろ、ユーザー・エクスペリエンスを前面に出した話題が多いが、であれば是非とも Newtonを体感してもらいたい。そのためにも Einsteinプロジェクトは非常に意味がある。

紙は人間にとって最高のユーザー・インターフェイスを持っている。それは間違いないが、情報は共有することで大きな意味をもつようになる。その双方の利点をバランス良く取り込んだのが NewtonOSである。

時代の符合か、Einsteinプロジェクトと同時期に Origamiプロジェクトが声を挙げた。ボクは Einstein vs Origamiを、ある意味 Macintosh vs Windowsのような感覚を持って見ている。

Newtonが情報の入力を考え抜いたデバイスであるなら、情報の利用を考え抜いたデバイスが iPodだ。Newton以外のPDAも、どちらかといえば iPod寄りの立場にある。「いまだに Newtonのようなデバイスには会えない」と口にするユーザーが多いのは、このあたりにヒントがあると思う。Newtonは、他のPDAとは立ち位置が違うのである。

Newtonは、たしかに早すぎたかも知れない。だが、ユーザー・エクスペリエンスが脚光を浴び始めている今、デバイスを変えて NewtonOSが再評価される意味は大きい。

今度開催される Newton Einstein Nightでは Relativity(連携)がキーワードになっているあたり「電子の紙デバイスで情報を共有する」という理想の形が連想されて、楽しみで仕方がない。

投稿者 Yos : 12:30 | コメント (0) | トラックバック

2006年04月26日

Newton Einstein Night on 05/31

einstein-night.jpg

Appleストア銀座でNewtonユーザの交流イベント開催が決定!

「Newton の命を新しいからだに甦らせる Einstein エミュレータを紹介、フランスより開発者の Paul Guyot 氏を招き Einstein Project の現状および将来のビジョンを聞く。」

 場所:Apple Store Ginza地図
  日時:5月31日(水)7:00 p.m.
  出演:Paul Guyot
  主催:x-lab & Newton Gravity


Newtonサポーターなら、みんなが知ってる Paul から、こんな言葉が届いています。

I hope my workload will be such that I will be able to unveil a new version of Einstein Platform.
(新しいバージョンの Einstein プラットフォームを公開できればいいなぁと思っています。)

Einstein Nightの公式情報サイトはこちら。Einstein について予習・復習したい人は、こちらこちらをどうぞ!

当日はイベントの最後に、みんなで Newton を持って集合写真を撮影します。Newton をお持ちの方は、いまからメンテしておいてくださいね!

ClubNewton ではこれからも Newton Einstein Night の情報を発信していきます。ご期待ください!

投稿者 Yos : 22:00 | コメント (0) | トラックバック

2006年01月31日

Intel MacでEinstein

EinsteinがIntel Mac 上で動作しています。NewtTestでのSpeedテストは、どれぐらいなんだろう?

投稿者 Yos : 12:55 | コメント (2) | トラックバック

2006年01月20日

PepperPad2 running Einstein

Chuma.orgPepperPad2で動作している Einsteinの写真がアップされています。

このページで紹介されているのは Pepper computer社PepperPad2というLinux+Javaベースのコンピュータで心臓はXscale(PXA270、624MHz)。8.4インチSVGAカラーディスプレイとタッチスクリーンを搭載したマシン。
WiFiやBluetoothを内蔵し、20GBのHDDも装備。両側にキーボードがあるので両手の親指でキー入力が可能。850ドル。

pepperpad2.jpg

写真がピンボケなので正確じゃないですが NewtTest計測値は431と見えますね。低速で Einstein機としてはストレスたまりそうです。(上の写真は、Einsteinと関係ないです)

投稿者 Yos : 12:00 | トラックバック

Einstein2005動作スピード

Paulから送られてきた Einstein2005(OS-X用、バグあり)を試してみました。

やはり気になるのは動作スピード。

NewtTestを使ってスピードを測るわけですが、初期のEinsteinにインストールされていたNewtTestではTestTypeにSpeed項目が無いため測れません。Einstein-DP3と一緒にリリースされたNewtTest1.1にはSpeed項目があるので、これ以降のリリースについて測定しました。
試した環境はiMac G4-800MHz/RAM-512MBです。この時点で遅いのは目に見えてますがね(笑)

NewtTestのLoopスピードチェックの結果は以下の通り。単位はiterations/second。
7倍速というのはWWNC2004公開当時からの実績のようですが、ボクのテスト環境ではこんなもんですね。

  DP3 :1320
  UP2 :1800
  2005:2830

さて Einstein2005という名前ですが、バグが取れてリリースされる際には "Einstein Emulator"ではなく "Einstein Platform Preview 1" という名前になるようです。

投稿者 Yos : 08:05 | コメント (0) | トラックバック

2006年01月19日

Einstein2006 on Nokia770

Paulのサイト kallisysで Einstein2006のベータ1が公開されている。ダウンロードできるのは OpenZaurus3.4.5とNokia770用。

実際にNokia770で動作している様子はこちら
Andy Dillerのサイト The Syncing Appleでは Einstein on Nokia770の記事が掲載されていて、追ってインストールの顛末記を知らせてくれるようだ。

並んで公開されている Einstein Emulator UP2 (MacOS X)はファイルの日付から見て、以前から公開されていたUP2と変わらないと思われる。7倍速になったという Einstein2005は いずこ?

Paulに Einstein2005について問合せてみました。情報が入り次第お知らせします。

追記)Paulから連絡が入りました。Einstein2005については嫌なバグが残っているので、まだリリースに至っていないとのことでした。

投稿者 Yos : 07:46 | コメント (1) | トラックバック

2006年01月15日

Einstein2006 on Linux-Zaurus (速報)

WWNC2006でLinux-Zaurusに搭載されたNewtonOSのデモが行われた。

2004年のWWNCで PaulがEinsteinをOS-Xでデモした時から、エミュレータ速度は7倍になり Quad PowerMacG5上でのEinsteinのNewtTestベンチマーク値は9400。実機のMP2100でのNewtTest値11,000に迫る性能となってきた。

zaurus-01.jpg

Macがインテルになってもそのユーザー・エクスペリエンスが MacであるようにNewtonもハードウェアに縛られるものではない。

Paulのサイトでも既に Einstein Platform 2006のベータ版配布が始まっている。

WWNCでのPaulのスライドによると、Einstein2005では、いわゆる「バカ正直なエミュレーション」をやめて最適化のためにソースを書き直したそうだ。そのために多くの髪の毛を失ったという(笑)。

zaurus-2.jpg

以下、Paulのスライドからの情報。

Einstein2005はOS-X上の開発ツールとしても活躍でき、SeanLukeはWaba開発のツールとして既に利用している。
そしてEinstein2006はエミュレータではなく Zaurus SL5500上で40MBのコンパクトFlashカードで動くプラットフォーム。まだ動作は遅い。
でも、Einstein2005が7倍速になったように、Einstein2006も高速化が可能だ(なぜなら、まだ髪の毛があるから。いや、アイデアもあるから)
たとえばPDFビューアなど、ホストコンピュータとのデータ共有やアプリの連動も実機のNewtonより便利になる。
Einstein2006で使われているテクノロジーを使えば100万色での表現も可能になる。

Einstein2006の高速化、ホスト連携、カラー化は次回のWWNCで実現かな?

投稿者 Yos : 17:10 | コメント (4) | トラックバック

2006年01月12日

MacworldExpoの後はWWNC

さて MacworldExpoの後は、WWNC
今年も濃い連中がサンフランシスコに集まってくるようだ。

初日のキーノートを務めるのは Larry Yaeger氏。
Larryは「Handwriting Recognition that Actually Works!」と題して Newtonの文字認識技術についてのスピーチを行う。
それもそのはず、彼はAppleのAdvanced Technology Group(当時)でNewtonの手書き文字認識開発のリーダーとして活躍した人。彼は自分のホームページで、この認識技術についての論文も公開している。

2日目のキーノートはWalter Smith氏。
「A Brief History of Newton Technology」と題して、Newtonテクノロジーの開発経緯などを紹介する。 Walterは先進的なオブジェクト指向プログラミング環境 NewtonScriptを開発した人。どんな話が聞けるんだろうか。

その他にも Adam Towや Grant Hutchinson、James Joaquinなどが各セッションを担当する。
我らが Paul Guyotも初日の午後から「Einstein & Relativity: The Transition」を担当。2005年7月のUserPreview以来、動きが見えない Einsteinについて、どんなスピーチが出てくるのか非常に楽しみ。

MP2000で有名なユーティリティソフト「Dash Board」を開発したFive Speed Softwareの Mason Mark氏も日本から参加するようだ。

その他、BlueToothを使った電話連携や、Wi-Fiの設定、NPDSなどのワークショップが予定されている。

大いに盛り上がった2004年のWWNCの様子はこちらから

投稿者 Yos : 12:25 | コメント (2) | トラックバック

2005年12月04日

WorldWide Newton Conference 2006

Macworld Expo直後の2006年1月13日から15日にかけて、サンフランシスコでWWNCが開催されます。今回もAdam Tow, Paul GuyotらのプレゼンテーションをはじめパネルディスカッションやNewtonの最新ソフトのデモもあるようです。

投稿者 Yos : 07:33 | コメント (0) | トラックバック

2005年06月06日

Einstein - UP2

Einstenの User Preview 2 がリリースされました。
数多くの修正点の中で特筆すべきなのはPCカードスロットを2基エミュレートしていることでしょう。PCカードスロットのエミュレートはまだ動いてはいないようですが、実装されつつあります。

UP2での変更点は以下の通り。

- ポートオーディオインタフェースの書き直し
- オーディオインタフェースにCoreAudioを追加し、こちらをサウンドマネージャのデフォルトとした
- マウスボタンが押されている時に画面が更新されないというTigerでのバグを修正
- READMEをユーザーズマニュアルへ
- モニターモードへのブレーク、ログへの書き出しをサポートするNewonScriptグローバル関数を追加
- ユーザーデータをアドレス帳からインポート。
- Einsteinが動作しているホストMacのタイムゾーンに合わせるようになった
- TCP/IP経由でROMダンプするためのGUIを作成。ターミナルでNCコマンドを打ち込む代わりとして使用できる。
- PCMCIAソケットを2基エミュレート。割り込みは未サポート
- シリアル番号チップをエミュレート。NewtonIDは0000-4E65-7774-6F6E
- リブート時にデータロスを起こすバグを修正
- プリファレンスの設定内容がファイルに保存されるようになり、セットアップウィンドウをスキップすることが可能になった。
- 今までコンソールにログ出力されていた警告メッセージは、NSAlertでレポートされる。

投稿者 Yos : 09:21 | コメント (2) | トラックバック

2005年04月21日

UserPreview2は来週以降

Paulから Einsteinの次のリリースについての情報が入りました。UserPreview2は来週または来来週になる模様。

4月18日の使用期限が過ぎてからリリースが遅れている原因は、Pantherが 10.3.8から 10.3.9になったタイミングで Einsteinの動作がオカシクなったからだそうです。OSが原因なのか、新しく書き足したコードが影響しているのか、確認して安定した段階でUP2としてリリースを行うとのこと。

MacOS-X Tigerでの動作についてはプレリリースバージョンの TigerではOKのようですが、Paulが製品版の Tigerに乗り換える7月までは Pantherでの動作確認が中心になるようです。

投稿者 Yos : 14:47 | コメント (0) | トラックバック

PocketPCで Einstein?

どうやら Paul はイギリスで 購入した 寄付してもらった PocketPCに Linuxをインストールして Einsteinを動かすつもりらしい。
Linuxのインストールまでは終わってて、Zaurus-X-gccでコンパイルしたプログラムが動いてるので Einsteinも動くはずなんだけど、64MBしかRAMの無いマシンで動作させるために Einsteinを最適化する必要があるようだ。

この最適化が実現すれば、実装できるPDAの選択肢が大きく広がることになるね。

Paulが入手したのは Compaqの iPAQ3670のようです。この最適化と内部の見直しによって、Macをはじめとする他のホストOSでも動作が軽快になってくれると嬉しいよね。

投稿者 Yos : 12:10 | コメント (3) | トラックバック

2005年04月18日

さぁて、次の動きは?

Paul が来日したハズですが、住居の手配やネット環境の整備などで今しばらく時間が掛かるでしょうね。Einstein-UP1も本日が使用期限。次の動きを期待してます。

Paul は今、引越し中かな? どんな状況か教えてね。

投稿者 Yos : 12:52 | コメント (0) | トラックバック

2005年04月15日

Paul はロンドンから東京へ

先週きたメールによると、Einsteinの作者 Paulはフランスのアパートを引き払ってロンドンでしばらく過ごした後、今月の17日に日本に来る予定だそうです。日本では1年以上、都内にステイする予定のようですよ。今ごろは日本向けの移動に掛かっているところじゃないかな?

投稿者 Yos : 00:22 | コメント (4) | トラックバック

2005年04月14日

AUGM in Tokyoレポート

新しい仕事の立上げに手を取られて更新が止まってました、すんまそん。

Apple UserGroup Meeting in Tokyoのレポートが公開されてますね。GNUEさんにClubNewtonの紹介もしてもらってます。どうもです。

投稿者 Yos : 23:10 | コメント (0) | トラックバック

2005年03月09日

タブレットPC+Einstein

タブレットPCを購入してからしばらく WindowsXP Tablet Edition で遊んでみましたが、ストレス溜まりまくり。いろいろ触っていて、ようやく気が付いたのがマウスポインタ。どうもストレスの元凶はポインタなのだ。自分がタップしようとするトコロに先回りしてウロウロするポインタが視覚的にもフィードバック動作としても非常にウザい。試しに1ドットのマウスポインタを自作して置き換えると、心理的には少しマシになりました。それでもデジタイズ精度の甘さなのか、Newtonのようにピタッと位置が決まらないですね。

さてお次は、タブレットPC+Einstein。
タブレットPCを Linuxマシンにして Einstein-Zaurusをなんとかインストールしてみるというドラスティックな手もありますが、まずはタブレットPCでEinsteinが快適に操作できるのかどうか。どんな操作感になるのかを体験するためにVNCで試してみることにしました。

iMacにOS-X用のVNCサービスをインストール。タブレットPC側にはVNCクライアント(Viewer)をインストールしてのリモートアクセスで感触を試します。タブレットPCは無線LAN内蔵でバッテリーも3時間ぐらいは楽勝。コタツに腰まで浸かってゴロ寝しながらペン操作だけでOS-Xをイジッてましたが、これ以外と快適ですね。WinXPよりもOS-Xのほうがタブレットに合っているような気がします。

リモートでiMacを操作しながら Einsteinを立ち上げます。画面サイズをXGA全画面にして立ち上げると、タブレットNewtonの出来上がり。インクテキストで書き込んでE漢字で変換していくと、すごく懐かしい感じがしました。続けてPencilも試してみましたが、これぐらい画面が広いと平仮名スケッチ文字も描きやすいですね。同じぐらいの時間ペン操作だけで使ってみての快適度は

  WinXP < MacOS-X < NewtonOS (こちら側が一番快適)

という具合でした。まぁ当たり前といえば当たり前。

今回試してみた方式。これはこれでアリだと思うんですよね。
たしかにPDAではなく「NewtonOSサーバー」をリモートで利用しているわけですが、おかげで能力の低いPCでもエミュレーション・オーバーヘッドを気にせず快適に使うことができる。自宅サーバが立つ人はNewton本体を自宅で動かしておいて、外部からPDAのように利用することもできるわけです。うーん賛否両論。

投稿者 Yos : 20:03 | コメント (2) | トラックバック

Einstein ROM吸出し&懇親会

Newton の ROM吸出しと Einstein の情報交換を行う懇親会が今週末に新宿で行われます。詳しくはGNUEさんとこで。

投稿者 Yos : 18:56 | コメント (0) | トラックバック

2005年03月07日

Einstein - User Preview 1

待ちに待ったユーザープレビューが公開されました。今回のリリースではスクリーンマネージャがCocoaとX11から選択できるようになっています。キーボード入力もサポートされてますので、マウスで不細工な文字を書き込んでいたのから解放されました。使用期限は4月18日までとなっています。
もうちょっと使い込んでレポートします。みんなからのインプレッションも待ってますよ。

投稿者 Yos : 07:30 | コメント (14) | トラックバック

2005年02月28日

Pencil ふたたび

Einsteinのデベロッパーリリースが始まってから、久しぶりにViewFrameと格闘しています。しばらくNewtonScript見てなかったので Frameや Slotの見方を忘れてしまってますねぇ。いやぁ、いかんいかん。WallStreetを復活させたのも、実は Pencil を復活させるのが目的なんです。
Pencilは平仮名をじかにNewtonに書き込むためのインタフェース。Newtonは手書きの英文字を認識し単語辞書と照合して正確にテキスト変換してくれますが、これは英語が26文字という少ないレターから成り立っているという特性を活かした認識方法です(詳しくはこちら

日本語でこれに近いのはカナ文字。50数文字で全ての発音を表記できるし、Newtonに速記するには漢字よりも平仮名が適しているからです。Einsteinを使えばタブレット上にA4サイズぐらいの大きなNotesを開くことができるようになりますから、図表や説明書きをガシガシ書きこむことができるでしょう。そこでPencilを使えば、走り書きを簡単に清書することができるというわけです。もちろん全ての文字を清書する必要はなく、キーワードになる言葉だけ丁寧に書き込んでおけばNewtonOSが持つ検索機能を使うことができます。

そう遠くない将来、フィルム液晶とデジタイザが一体となったような製品が実用化されるでしょう。Linuxコミュニティもきっとこの「電子の紙」に対応したドライバを書いてくれると思います。そんな環境が実現した時、Einsteinとのコンビなら Pencil はチカラを充分に発揮できそうです。文字入力枠のない自由さを、ぜひ実現したいですね。

投稿者 Yos : 16:45 | コメント (1) | トラックバック

2005年02月26日

Adam Towのスライドに感激

Adam Tow氏のブログからの流れで久しぶりに WWNCのサイトを訪問し、今まで見逃していたTow氏のスライドを見つけて感激しました。「A personal history of the Newton」と題した149ページにも及ぶKeyNotesスライドはユーモアたっぷり、Newtonへの愛情たっぷりの物語。Newtonの誕生からNewton Inc.のスピンオフ、Newtonのディスコンなど、歴史とともに揺り動かされたNewtonコミュニティの実情が当事者の口調で綴られています。

「Newton Renaissance2001-2004」からのセクション(92ページ〜)ではNewtonのリアルタイムを知らない世代がディスコン以降に参加し、今日のコミュニティの大きなチカラになっていることを紹介。なかでもボクが引き込まれたのは「Newton was designed from beginning to communicate」という一文。WiFiやBlueToothといった現在のコミュニケーションテクノロジーがディスコン後に実装できるという奥に秘めた柔軟性も然りだけど、なによりもそれを実現してきた人達のコミュニケーションが、この言葉に集約されていると思う。
ボクがNewtonにハマったのは1996年。リアルタイム世代最後の残党ってところですね。

投稿者 Yos : 09:50 | コメント (0) | トラックバック

2005年02月25日

Einstein + G5 Dual

ご存知 Adam Towのブログサイトで Einsteinがレポートされていました。SNUG(Stanford Newton User Group)のミーティングで、G5の2GHzデュアルCPUではEinsteinは MP2x00の 倍速で動作した 半分くらいの速度で動作したそうです。

Tow氏のPowerBookでは動作が非常に遅かったようですが、今も Paulは Einsteinの細かな最適化を進めているハズです。Tow氏によれば「Paulはまだ隠し玉を持っている。ここ数ヶ月で本物のMP2x00と同様以上の速度になることを信じている」とのことです。

そうそう、PaulとAdamの写真はこちらで見れますよ。

投稿者 Yos : 17:00 | コメント (3) | トラックバック

Einstein - Cocoa その後

Paulと連絡を取り合いながら、ボチボチとCocoa版のEinsteinエミュレータを触っていますがナカナカよろしいです。「いろいろな最適化を行った」とPaulが言ってたように、なるほど以前モタついていた動作がキビキビとしてきたようにも思えますね(あくまで私感)。スクラブの効果音などは、以前よりかなりマシになったような気がします。

ドラッグ&ドロップでのパッケージインストールも複数パッケージを同時にドロップできるようになりました。インストールしたいパッケージをフォルダにまとめておいて、全部選んで「えいやっ」でドロップ。あとはお任せインストール、といった感じです。これは楽チン。

ツールバーなどのインタフェースもOS-Xらしくなってきました。エミュレータ起動時にホストコンピュータの時刻に自動的に合わせてくれるようにもなり、Newton上の日時時刻の設定が簡単になりました。現状ではローカルタイムとの時差が出てしまうようで「○○時」の部分だけ手作業で合わせています。

投稿者 Yos : 14:25 | コメント (1) | トラックバック

2005年02月23日

Newton Einstein Night

今週末のApple Users Group Meeting in Tokyo で Einsteinエミュレータのデモを行う予定の GNUEさんが Newton Einstein Nightを計画中。日時はまだ未定ですが、参加者とお手伝いスタッフを募集しています。NewtonやEinsteinに関することなら何でもアリだそうです。

投稿者 Yos : 19:30 | コメント (1) | トラックバック

Einstein - Zaurus対応

なんと、Einstein Zaurus Preview 1 が公開されました。Linux-Zaurus上でNewtonが動作します。まさに "Newton Never Dies. It only gets new Hardware" の世界に入ってきました。ちょっと複雑な気持ちですが、まずは実際の感触を試してみたいですね。

Einstein-Zaurus は以下の環境で動作するそうです。

 qemu-arm
 Zaurus-X-gcc libraries
 http://emmie.koka-in.org/~kensyu/zaurus/ にあるX11ライブラリ
  
手順は

- X11をZaurusにインストール
- libX11.so.6が /usr/X11R6/lib/ に必要
- アーカイブされたtarボールを解凍
- 解凍先のディレクトリに移動して
- ROMイメージを dataディレクトリにコピー
- 下記のコマンドでEinstein-Zaurusを起動:
  ./einstein-zaurus --audio=null data

以下、Paulからのお願いです。

「うまく動いているかどうか教えてください。installコマンドでパッケージをインストールできたら、NewtTestの他にもスピードテスト用に2種類のテストが入ったパッケージを用意してあるので試してみてください。このテスト結果を教えてもらえれば、スピードアップのためにどれくらいの事をしなければならないかが把握できます。」

ボクも作者のPaulも Zaurusを持ってませんので、ぜひみなさんのレポートをClubNewtonにお寄せください。みんなの情報をまとめて、より良い Einstein-Zaurusを作り上げていきましょう!

投稿者 Yos : 09:56 | コメント (28) | トラックバック

2005年02月13日

Einstein - Cocoa対応

Einsteinは日々進化しています。
連休前に送られてきたEinsteinバイナリを起動してみて驚いたのは、今度はX11ではなくCocoaスクリーンマネージャーに対応したOS-XアプリケーションとしてのEinsteinが動き出したからだ。作者のPaulとのメールのやりとりでは、ついに「次のリリースは(Public Release 1)一般ユーザーのため」という言葉が出てきました。

Ein-Pref-GUI-Small.jpg

いままでコンソールから起動していたために起動オプションはコマンドラインオプションになっていたわけだけど、この部分がGUIになっているのでとても使いやすい。Flashファイルの切り替えもこのGUIでやれば簡単。それ以外にも動かしてみると、いろんなところが使いやすくなっていました。

最高に使い勝手が良くなったのはパッケージのインストール。これはGNUEさんの要望でPaulが対応してくれたんだけど、Einsteinウィンドウの上にパッケージファイルをドラッグ&ドロップするだけでインストールしてくれるというもの。次々と簡単にパッケージをインストールできるしファイル転送とインストール動作を別々のダイアログで表現してくれるので、インストールに関しては本物のNewtonよりも親切・便利かもしれないね。

DR2まではコマンドラインでのquitやpowerは若干クセがあったけど、今回試してみたバージョンではメニューバーからの操作になっていて非常に安定しており、内部の細かいバグフィックスや改善が成されたあとが見られます。

バックライトやパワースイッチもGUIツールバーから操作できるようになるそうで、こちらも楽しみです。Paulも「GUIでは変更がもういっぱいあるかもしれません」と言ってて、よりユーザーフレンドリーになった状態でPR1がリリースされること間違いなさそうです。

投稿者 Yos : 15:05 | コメント (3) | トラックバック

2005年02月07日

Einstein - 起動スクリプト

GNUEさんとこで、Einstein起動スクリプトが紹介されています。これでデスクトップやランチャーから簡単にNewtonエミュレータが起動できますね。

投稿者 Yos : 09:09 | コメント (0) | トラックバック

2005年02月06日

Einstein - あらためてReadMeを読んでみよう

いろいろと実験していますが、あらためて基本に戻ってReadMeをじっくり読んでみましょう。なにか新しい発見があるかも、です。DR2についているREADMEを訳してみました。

DR=デベロッパリリースですので技術的な内容が多いですが、開発者じゃない人でも簡単に読み飛ばせるように表記しました。この色がついている部分を読み進んでください。誤訳があれば指摘してくださいね。


README.txt for Einstein Emulator DR2

イントロダクション
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アインシュタイン・エミュレータはNewton N2プラットフォーム(MP2x00、eMate300)のエミュレータ。StrongARM110ハードウェアとNewtonOSを機能させるための全てのサブシステムをエミュレートしています。
これには不可能と思われていた、Voyagerと呼ばれるASIC(特定用途向けIC)デコードのエミュレーションも含んでいます。たしかに多くのASICはエミュレートされてきましたが、Newtonだけは別物でした。NewtonOSのドライバーを、ARMの特殊なコプロセッサ経由のネイティブコード・ドライバに置き換えるというトリックを使って実現しているわけです。
この方法についてはWorldwide Newton Conferenceで発表しています。

起動に必要な環境
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このプログラムは2005年2月27日までの期限付き試用版です。アインシュタイン・エミュレータは今のところMaxOS-XのAppleX11上で動作します。プログラムコードはgccを使ってG4プロセッサに最適化コンパイルされていますが、なるべくほかのプログラムを動作させず、クラッシック環境も停止した状態で、このエミュレータを動かしてください。PowerBookG4チタニウム 1GHzの私の環境では、それなりに動いています。

アインシュタイン・エミュレータはサウンド出力に Portaudioを使っており、サウンド入力もこれで対応する予定です。アインシュタイン・エミュレータDR2はFrankGruendel作のNewtTestのプレビュー版も同梱しています。
http://www.pda-soft.de/newttest.html
http://www.pda-soft.de/ge_newttest.html

アインシュタイン・エミュレータの動作にはMP2x00英語版, MP2x00ドイツ語版または eMate300のROMイメージが必要です。

操作説明
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Newton本体からROMイメージを吸い上げる方法には2つあります。

ROMファイルを欲しいという人がいますが、NewtonOSのROMはApple Computer Inc.とライセンシーが著作権を持っていますので、ROMイメージを譲渡することはできません。

Hammer/Newtsbug (シリアル接続を使った場合)
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HammerやNewtsbugといった下位レベル・デバッガを使ってメモリ・ダンプを作ることができます。シリアル接続を使うため、時間がかかります。
必要なものは:
 -クラッシック環境
 -HammerまたはNewtsbug(UNNAで入手できます, http://www.unna.org/)
 -Keyspanなどクラッシック環境で動作するシリアルアダプター

HammerまたはNewtsbugを接続し、メモリーを0から8MBまで保存してください。8MBは16進数で 00800000です。

ROM Dumper (TCP/IP接続の場合)
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ROM Dumperを使うと早くROMを吸い上げることができます。同梱されているROM DumperをNewton本体にインストールし、startボタンをタップします。10080ポートでlistenするTCP/IPサーバとして機能しますので、ターミナルのncコマンドなどでアクセスし、ROMをダンプします。

ncコマンドの文法は:
nc ipアドレス port番号

Newton側のIPアドレスを192.168.0.3に設定してある場合には
  nc 192.168.0.3 10080 > rom
でROMをダンプすることができます。ROM Dumperのソースファイルもついていますので詳細が知りたい方はそちらを見てください。

ROMイメージを吸い上げたら
-----------------------
ROMイメージファイルの名前を次のようにしておいてください:
717006 (MP2x00英語版の場合)
737041 (MP2100ドイツ語版の場合)
747129 (eMate300の場合)

ROMファイルをEinstein.rexファイルが入っているdataフォルダに入れてください。(Einstein.rexファイルはアインシュタイン・エミュレータ用のROM拡張ファイルで、アインシュタイン・ドライバとFrankのNewtTestプログラムが入っています。)
アインシュタインを起動するには、ターミナルから次のようにタイプします。
  $ ./einstein --machine=XXXX data
ここでXXXXの部分は次のいずれかです。
717006 (MP2x00英語版の場合)
737041 (MP2100ドイツ語版の場合)
747129 (eMate300の場合)

コマンドラインオプションの --machine は英語版ROM(717006)の場合には省略できます。
./einstein --help とタイプするとその他のコマンドラインオプションが表示されます。

nsコマンドとinstallコマンド
-----------------------
DR2からはinstallとnsの2つのコマンドが追加されています。

 einstein> ns command
はNewtonScriptコマンドを実行します。結果がエミュレータコントローラに戻ってこないことに注意してください。たとえばこんなふうに使います:
einstein> ns Backlight(true);

einstein> install path
でパッケージがインストールできます。

モニターモード
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DR1からモニターモードが搭載されました。NetBSDプロジェクトの逆アセンプラを使っています。
--monitorオプションでモニターモードに入ると、ブレークポイントの設定ができます。
モニターモードでは以下のブレークポイントがデフォルトでONになっています:
 -文字列をデバッガに渡すためのNewonOS UND命令
  リブート後に実行されNewtonは停止し、モニターに文字列が表示されます。
 -起きてはならないバイオレーション・ブレーク

breakコマンドを使ってブレークポイントを設定することができます。p10コプロセッサのレジスタ0に0x00000116をロードすることによってもブレークポイントをセットすることができます。以下のアセンブラコードは、モニターにブレークしてくるためのサブルーチンです。

 stmdb  sp!, {lr}
 ldr    lr, breakinmonitor_val
 mcr    p10, 0, lr, c0, c0
 ldmia   sp!, {pc}
breakinmonitor_val
 DCD   0x00000116

モニターモードではすでにログが取られているので--logオプションと--monitorオプションは同時には使えません。ログはモニタースクリーンにスクロール表示されるので、ファイルにログを落とすことができます。

モニターモードではシンボルファイルを使うことができます。シンボルファイルのファイル名は、たとえば717006.symbolsのようにROMイメージファイルにあわせます。
ファイルの書式は:
  address symbol comment.
の繰り返しで、address部分は16進数でソートされていなくてはなりません。

このシンボルファイルはHammerやNewtsbugのデバッガイメージを使って、簡単に生成することができます。Newton C++ツールのDumpAIFプログラムの-sオプションを使ってシンボルリストをダンプします。これでプログラム行を好きなように取り扱うことができるようになります。

Flashについて
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DR1からフラッシュメモリをdataディレクトリ内のflashという名のファイルに保存するようになりました。スタートアップ時にROMチェックサムが計算され、フラッシュメモリの0番ブロックがこの値で埋め尽くされます。NewtonハードウェアのROMボードを取り替えると、NewtonOSはフラッシュメモリを消去しようとしますが、これでNewtonOSがフラッシュメモリを消去しないようになります。ROMイメージファイルを--machineオプションを使って切り替える場合には、flashファイルを削除したほうが良いです。

DR2ではflashファイルを新規に作成する時に限り、システムに適合したファクトリー・キャリブレーションデータを書き込んでいます。Newton画面上に「factory calibration・・・」メッセージを出さないようにするには、一度flashファイルを削除した上でアインシュタイン・エミュレータを起動してください。flashファイルへの書き込みはパワーオフの時(エミュレータがパワーオフになる場合、またはフラッシュメモリチップがパワーオフになる場合)に行われます。アインシュタイン・エミュレータでは8MBのフラッシュメモリをエミュレートしています。これは4MBのメモリバンクを2つ実装しているためで、最大の容量です。これ以外にもバンクはあるようなのですが、フラッシュメモリサイズを指定できないようです。

RAMについて
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DR2からRAMサイズを64KB単位で指定できるオプションが追加されました。デフォルトは64KB。MP2100では4MBが可能なようです。最大に使用できるRAMサイズは64KBが255ユニット分で16MB近くになるようです。それ以外にもサポート外のRAMバンクもあるようですが。RAM、ROMおよびフラッシュメモリはホストシステム上ではRAMに展開されることに注意してください。スレッドエミュレーションのためにROMとRAMは本来の4倍のサイズで展開(デコードされた命令と関数ポインタを含むため)されています。

パッケージのインストールについて
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パッケージのインストールが遅いのはNewtonとの通信方法に起因しています。基本的にパッケージは236バイトのパケットに分割され、NewtonScriptタスクにイベントとして送信されます。DR2からインストール具合を表すウィンドウが追加されましたが、これはNewtonへ転送されているパケットの進捗を表しているだけです。このウィンドウが閉じると、パケットがバイナリに変換されていきますが、ここに時間がかかります。
また、デフォルトのストアにパッケージサイズの2倍の空きがないとインストールは失敗します。

endpointをエミュレートし、SuckpackageFromEndpointを利用するのがより効果的でしょう。通常のインストーラープログラムを使えるようにAppletalkバインディングを用意すれば面白いですね。

stopボタンを押してインストールを中断することもできますが、ダウンロードを中断することはできません。

デベロッパーのためのノート
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DR1から、Einstein.rexファイルにはEinsteinエミュレータのハードウェアを本物と区別するためのGestaltエントリーが定義されています。以下のC言語用の宣言はネイティブコードがアインシュタイン・エミュレータで動作中かどうかをGestaltで判断するための定義です。

#define kGestalt_Einstein_Base 0x03000001
#define kGestalt_Einstein_EmulatorInfo (kGestalt_Einstein_Base + 1)

// Version
#define kDR1Version 0x00010000
#define kDR2Version 0x00010000

// Host CPU.

struct SGestaltEinsteinEmulatorInfo
{
KUInt32 fVersion; ///< Current version.
};

fVersionフィールドはシステム情報のROMVersionと同様にMacOS/NewtonOSのバージョン書式です。位16ビットはメジャーバージョンNo.で下位16ビットはマイナーバージョンです。(DR2はバージョン1.1ということになります)あるいは次のようなNewtonScriptコードで同様の情報を記述してもよいでしょう。

constant kGestaltArg_EinsteinEmulatorInfo := '[0x03000002, [struct,long], 1];
constant kDR1Version := 0x00010000;
constant kDR2Version := 0x00010001;

/**
* Determine if we're under Einstein Emulator, and if so, its version.
*
* @return nil if we're on a hardware unit, the Einstein Emulator version
* otherwise.
*/
DefConst('kDetermineEinsteinEmulatorVersionFn,
func()
begin
local theResult := Gestalt(kGestaltArg_EinsteinEmulatorInfo);
if (theResult) then return theResult[0] else return nil;
end);

ROMエクステンションではアインシュタイン・エミュレータのバージョン情報を取得する GetEinsteinVersionString() 関数も定義されています。

すでに分かっている問題
--------------
 -キーボードがエミュレートされていない。eMateではExtrasドロワを開くために次のNewtonScriptコマンドを使ってください。
   ns GetRoot().extrasdrawer:Open();
 -シリアルポートがエミュレートされていない。
 -PCMCIAカードがエミュレートされていない。
 -X11スクリーンが完全に閉じない(クリックすると閉じる)
 -quitコマンドX11サーバとのコネクションを切る時に若干問題あり。quit後にCtrl-Cでターミナルに戻ります。
 -時々スローダウンすることがある。割り込み処理が関係していると思われる。
 -サウンド出力が、あまりうまく動かない。
 -ソフトウェア側で音量を調整しても、エミュレータ側では無視しているので音量が変わらない。
 -サウンド入力がエミュレートされていない。
 -X11は100万色モードでしか描画しない。また作り方が汚いせいか、リトルエンディアンのX11サーバではカラーマスクが無視されてしまう。

投稿者 Yos : 12:54 | コメント (2) | トラックバック

2005年02月05日

Einstein - アプレットのインストール手順

DR2では大きなパッケージのインストールが可能になったので、いろいろとアプレットをインストールしてみたくなりますね。Newton用のアプレットは世界中に多く資産として残っていて、United Network of Newton Archivesにも多くのパッケージが保存されています。ほとんどが英語版だけど、試してみるには最適。
コマンドラインに慣れていない人向けに、パッケージのインストールの仕方をなるべく簡単に説明してみよう。

1.インストールが簡単な環境にしておく

まず、コマンドライン操作を簡単にするために Einsteinフォルダを自分のホームディレクトリに移動させておきます。Finderを開いたときに表示される家形のアイコンがホームディレクトリです。ここにEinstein用のフォルダ(例としてEinフォルダ)を作って、エミュレータのファイル一式を移動します。
Einフォルダの中にpkgフォルダを作り、インストールしたいパッケージをコピーしておきます。

2.Newtonエミュレータを起動

Einsteinをダブルクリックで起動し、Einsteinコンソールで
  cd Ein
  ./einstein --width=480 --height=640 data
とタイプして Newtonを起動します。

3.パッケージのインストール

起動が一段落したらパッケージをインストールします。たとえばボクの作ったshrink.pkgをインストールする場合には
  install pkg/shrink.pkg
とタイプします。Newton画面上にインストール具合を表示するバーが現れてパッケージがインストールされていきます。インストール後、ちょっとNewtonがもたつくこともあるみたいです。
パッケージのファイル名にスペースなどが入っている場合にはスペースを抜いて、なるべく短い英語名にしてください。そのほうが入力が楽ですからね。次のパッケージも続けて
  install pkg/packageName.pkg
のようにインストールしていきます。

4.確実に保存しておく

DR2ということで、まだちょっとバギーな部分もあるでしょうからある程度インストールが進んだら一旦、現状保存しておきましょう。
  power
とタイプするとエミュレータがFlashファイルを作成してパワーオフします。もう一度powerとタイプするとパワーオンしてくれるのですが、定常状態に戻るまでかなり待たされますので、
  quit
とタイプして、Newtonのエミュレーションを一度終了します。つづいて Ctrl+Cを押してX11ターミナルに戻っておきましょう。

5.Flashの中身を再確認

もう一度、Newtonを起動します。さきほどのように
  ./einstein --width=480 --height=640 data
とタイプしても良いのですが、コマンドラインで上矢印(カーソルキー)を押すと、先ほど入力したコマンドが出てきますので、そのままEnterを押します。
Newtonが起動して、先ほどインストールしたパッケージがメモりに読み込まれていくのが表示されると思います。Extrasドロワを開けて確かめてみてください。ちゃんとインストールされてますか?

Flashファイルは普通のファイルなのでファインダー上でコピーをとっておけば、それがエミュレータ環境のバックアップになります。簡単でしょ。

いろいろとインストールしてみた人は、この記事へのトラックバックやコメントで知らせてくださいね。パッケージのインストールに関する質問なども、ここで受け付けます。分からないことはPaulに聞いてみますから。

投稿者 Yos : 10:50 | コメント (3) | トラックバック

2005年02月04日

Einstein - DR2リリース(速報)

EinsteinエミュレータのDR2がリリースされた!

今回のリリースではボクがお願いしたインストールの問題が修正されたほか、内部的なエラーが発生する原因となっていた部分が多く改善されている。エミュレータを立ち上げる度に出ていた「factory calibration・・・」のメッセージも出なくなるようだ。

RAMサイズが64KBから16MBの範囲で指定できるようになったようだけど、DR1までのFlashファイルはDR2では使えなくなり、真ッさらな状態からもう一度インストールしなければならなくなりそう。quitコマンドで正常に終了できなかったケースも改善されているらしい。

投稿者 Yos : 16:01 | コメント (2) | トラックバック

Einstein - ROMの吸上げ

N@BlogでROMの吸い上げかたを説明した特集が組まれています。
NewtonとのTCP/IP接続ができている場合にはROM Dumperがお薦めですが、シリアルUSB接続による接続を考えている人はぜひN@Blogを覗いてみてください。

ボクの場合もOS-XとNewtonを接続するのが難しく(正確には面倒で・・・)NewtsCapeを使ってROM Dumperをインストールしました。

どこか自分のコンテンツが置けるウェブサーバ(もちろんローカルでもOK)にROM Dumperをアップロードして、ファイルのURLをNewtsCapeでアクセスします。NewtsCapeはパッケージをダウンロードすると、その場でインストールしてくれますから簡単でした。

NewtonにNewtsCapeが入っていたら、この方法で試してみてください。

当時のアプレットを色々いれてみようと思っているんだけど、ほとんどがフロッピーなんだよね。どうしても等幅ゴシックとNetiGameの強化キットいれたい。iMac用のフロッピードライブ買ってくるかなぁ。

投稿者 Yos : 10:51 | コメント (0) | トラックバック

2005年02月03日

Einstein - インストールは快適に

DR1.1を試しています。パッケージのインストールではプログレスバーも表示されるようになり、非常にスムースになりました。


スクリーンショットのように、かなり大きなpkgファイルもインストールできています。インストール中には一度もエラーがでていません。

こちらのコメントではフラッシュメモリの書き出しタイミングがイマイチわからず、みんな苦労してますね。どうやら Einsteinコンソールで powerコマンドを使ってNewtonを眠らせるとFlashへの書き出しを行うようです。今のところは、これが一番確実。

またROMイメージを放り込むdataフォルダの置き場所に迷っている人もいるようです。たとえばデスクトップにdataフォルダをおいているとすれば、Einsteinコンソールから
  cd desktop
  ./einstein data
で起動できますよ。

投稿者 Yos : 20:52 | コメント (2) | トラックバック

2005年02月02日

Einstein - パッケージのインストール

大きなパッケージがインストールエラーを起こす問題について、Paulに連絡したところ対応してくれました。16KB以上のpkgファイルのインストール時にエラーを起こしていたようです。Paulの素早い対応により日本語環境が作れそうです。

深夜にPaulからDR1.1を送ってもらいました。まだ試していませんが、明朝フォントがインストールできたとの報告をもらっていますので期待できますね。

投稿者 Yos : 23:58 | コメント (0) | トラックバック

2005年01月30日

Newtonサポーターへ - Einstein の設定

さて、ここまで動き出すと自分でもEinsteinやってみたいでしょ。

まずはROMの吸い上げになりますが、Einsteinと同梱されているROM Dumperを使うのが一番手っ取り早いと思います。NewtonがTCP/IP接続できるのが前提条件。それでは手順を紹介します。

たとえばNewton側のIPアドレスが 192.168.0.15だとします。

1.ROM DumperパッケージをNewtonにインストール。
2.ROM Dumperの Startボタンを押してNewton側を待ちの状態にします。
3.MacOS-X側ではターミナルを立ち上げ、以下のコマンドを打ち込んでROMをファイルへ吸い上げます。
    nc 192.168.0.15 10080 > 717006

4.この 717006ファイルをEinstein配下のdataフォルダにコピー。
5.Einsteinフォルダに移動して einsteinアイコンをダブルクリックしてX11を起動します。
6.X11コンソールで以下のコマンドを打ち込み
    ./einstein data

7.これでポートレートモードのNewtonOSが立ち上がります。

みんなもNewtonエミュレータを試してみて、動作環境のレポートをお願いします。
どれくらいのクロック数やメモリ容量で快適に動くのか、みんなの協力がないと調べられないことあると思いますので。

Paul に直接フィードバックするのも良いですが、同じ質問やレポートが増えると開発中の彼も大変でしょうから、このサイトを見てEinsteinを試してみた方は ClubNewtonまでレポートをお願いします。
バグレポートや要望などは yos@clubnewton.comまでメールください。こちらで集約して Paulへ送ります。また使用環境や設定の疑問点など、みんなで共有したい情報については、この記事にコメントするかたちで投稿してください。Blogをお持ちの方はスクリーンショットなどをトラックバックしてくれてもOK。

Newtonサポーターの活躍に期待します。同窓会みたいになるかも(笑)

投稿者 Yos : 10:00 | コメント (10) | トラックバック

2005年01月29日

Einstein - DR1

EinsteinエミュレータのDR1がリリースされています。
Einstein Proj.ホームページの LATEST NEWS の日付が変わっていなかったので見逃していました。27日のリリースだったんですね。今回のリリースではいくつかの改善がなされていますが、やっぱり注目なのはパッケージのインストールができるようになったこと。ClubNewtonでも各種アプレットをインストールして試している真っ最中です。

んで、画面が正方形のNewtonはこんな感じ(笑)

square_newton.jpg

一番最初にインストールしたのは、やはりバスケさんの TapBar。定番です。ボクの作った Shrinkや NoteSliderなど軽めの機能拡張も入れてみましたが動きもなかなかグッドな感じ。

日本語環境にカスタマイズしようとすると大きなパッケージが必要となりますが、現状ではサイズの大きなパッケージがインストールエラーを起こすような感じがします。なので、まだ日本語環境になっていません。
それでも充分楽しいですが(笑)

フラッシュメモリが保存されるようになったことで前回起動時の状態に復帰しますので、いろいろと試行錯誤しやすくなりました。Flashという名前の8MBのファイルに稼働状態が納められていて、これを単純にファイルコピーしておくことで、そのときの状態をバックアップできるわけです。コンソールからの起動オプションではFlashファイル名を指定して起動できるので、いろんなインストールを試してみることもできますね。

DR1では、その他にも改善点がありますが追ってレポートします。お楽しみに!

投稿者 Yos : 12:00 | コメント (2) | トラックバック

2005年01月21日

Einstein - やってみた

とりあえず実際にやってみなくては気の済まない Club Newton です。Einstein動かしてみました。ROMイメージさえ吸い上げればインストールは簡単。800MHzのiMacG4 RAM512MBでお試し。

NewtonといえばAssistということでNotesに「lunch with bob today」を書き込んでAssistボタンを押してみます。当たり前だけど、ちゃんとミーティングをセッティングしてDatesに追加してくれました。PDAのAはアシスタントのAですからね。

ついでにバックライトも点けてみました。それっぽくなってます。ウチのMP2000は、こんなに明るくないけどね(笑)。

体感的にはMessagePad130ぐらいのレスポンスかな。
ボリュームの調整が効いてないので、Mac側で音量調整する必要があります。起動音やタップ音も忠実に再現されていますよ。スクラブの時の「ボワッ」という音やExtrasドロワが開く音は、とぎれとぎれになってしまいます。Macのマシンスペックを上げれば、スムースになるのかもしれません。作者のPaulはPowerBookG4の1GHzを使っているそうです。

現時点ではアプレットがインストールできないのでNewtonの基本機能で遊んでいる程度ですが、いやはや、見事にNewtonです。でもマウスではさすがに文字入力は大変です。安いタブレットでも購入したいところですねぇ。

投稿者 Yos : 13:00 | コメント (5) | トラックバック

DeveloperRelese1は来週 - Einstein Proj.

盛り上がってきたアインシュタイン・プロジェクト。
ATA Supportの頃からPaulとは何度かメールのヤリトリをしていたので、今回も作者へ突撃インタビューしてみました。

やぁ、ポール。久しぶり。
アインシュタイン・プロジェクトはスゴイね。ありがとう。
ぜひ君のNewtonエミュレータでアプレットを動かしたいと思っているんだけど、パッケージをNewtonエミュレータにインストールするには、どうすればいいんだい。
Einstein.rexファイルにはNewtTestがインストールしてあるようだけど、同じようにパッケージを.rexファイルにインストールする方法を教えてくれないか?
佳幸へ
メールありがとう。ClubNewton見てみたけど、レポートしてくれたんだね。ボクはSketchMailの大ファンなんだ。
デベロッパープレビュー3(DP3)ではパッケージはまだインストールできないけど、デベロッパーリリース1(DR1)からはできるようにするつもり。昨日パッケージをインストールした時-48604エラーがでてたから、もうちょっとかかるかなぁ。たぶんDR1は、来週リリースできると思う。.rexはNewton C++のRexツールを使ってパッケージされているから、パッケージを付け足したいのならやってみればどうだい。
じゃあ、またね。

驚いたことにPaulのメールの返事は日本語だった(Mail arigatou みたいな)。
今年の4月から5ヶ月間、東京へ滞在するらしく「日本語をもうちょっと上手にならなきゃ」って言ってました。XGAエミュレータ画面のロケール第2都市にTokyo-Japanがあったのは、そういう意味だったのかぁ!
ということは、それまでにアインシュタイン・プロジェクトを一段落させるということかな?

うー、楽しみだ。日本に来たらポールにラーメンおごってやろう(笑)。
(鮨は別の人が銀座でおごってくれると思うので)

Newtonサポーターのみんな、ポールを囲んで集まるってのも良いのでは?

投稿者 Yos : 00:02 | コメント (3) | トラックバック

2005年01月20日

Einstein getting Bigger !

衝撃的な映像です。
NewtonをMacOS-X上で動かすアインシュタイン・プロジェクトがDP3を発表し、なんとXGAで動いているNewtonの画面を公開しました。


このDP3では先日のDP2から動作速度が30%アップ。数点のバグを改善した他、ROMダンプするためのTCP/IPユーティリティを用意しています。稲波さんもコメントしていますが、次期OS-X「Tiger」のDashBoardを連想させるように画面狭しとNewtonアプレットの数々。ワクワクしますね。

さて、ここまでくると「カラー化はどうなるんだろう?」という前向きな疑問が湧いてきますね。
Paulによると「NewtonOSは低いレイヤーでカラーのサポートが成されていないために、それより上位レイヤーではカラーを利用することができず、カラーを実装するにはNewtonOSを変えるしかない」とのことですが、以前PowerPointのプレゼンデータをNewtonに読込み、CRTモニターに色付きで出力するEz2TVというPCカード形式のアダプタがありましたよね。

アインシュタイン・プロジェクトでPCMCIAが実装された段階でEz2TVを使えばNewtonエミュレータの標準出力(X11)とは別系でカラー表現が可能になるのではないかと期待しています。
いずれにせよ、VGA以上のタッチパッド付きPCでペンを握って実際の感触を体験してみたいものですね。

投稿者 Yos : 11:01 | コメント (2) | トラックバック

2005年01月15日

MacOS-XでNewtonエミュレータ

ClubNewtonの再開に合わせるように(笑)Newtonエミュレータのデベロッパーリリース2が公開されました。
開発者はATA Supportで有名なPaul Guyot。ついにやってくれました!


動作させるにはNewtonOSのダンプイメージが必要なのでNewtsBugなどでROMイメージを吸い上げる必要がある(つまりBasiliskのように実機本体を持っている人だけが利用できる)のですが、MacOS-X上の X11 で動作可能のようですね。

このアインシュタイン・プロジェクトではNewtonエミュレータの開発を通してNewtonOSとハードウェアを研究し、次のステップではPOSIX搭載のPDA向けに移植してPOSIXカーネルにNewtonOSを最適化するのだそうです。
現在はPCMCIAカードへのアクセス、シリアルポート、キーボード、サウンド入力などの機能は実装されていないようですが、その他は全て動いているということですよ。夜中の3時にNewtonが突然動き出すのは、現バージョンではサポート外のようです(笑)

Club Newtonではこのアインシュタイン・プロジェクトを実際に検証しながら追跡取材していく予定です。お楽しみに。

このプロジェクトに関わる Paul Guyot や Adam Tow など、熱い男達の言葉も見逃せませんよ!

投稿者 Yos : 13:35 | コメント (3) | トラックバック

2005年01月14日

Newtonだからできるサイト 「26inch.net」

26inch.net では、SimpleMailSketchMailでNotesに書いた絵を日々アップしています。1月3日の青木さやか「どこみてんのよ~」 バカうけでした(笑)

黒一色での投稿のみですが、SketchMailではホントは色も付けられるんですよ。

投稿者 Yos : 16:40 | コメント (3) | トラックバック