やっちゃならねぇ、こんなこと。それでもやりたい、あんなこと。

 

Newton工房(番外編)です。良い子はマネしないように!

なかなか公開されない(契約しないと公開されないから、もはや公開されない?)Newtonのハードウェアですが、色々試している人達もいるようです。ここでは自分なりに試した事を情報として掲載する予定です。ただし情報が全て正しいとは限りませんので、情報の再利用は自分の責任で行ってください。クレームは一切受けませんしフォローもしません。

このページは「同じ事をしている人達と情報を共有したい」というのが主目的です。従ってあくまで実験であることを前提に読んで下さい。

MP2Kの解腹手順

 - はじめに -

 これからサポートが細くなっていくかもしれないので、ちょっとした工作は出来たほうが良いかもしれませんね。でも、なるべくならNewtonのオフ会などを利用して、経験者と一緒にやったほうが良いです。ユーザーグループなどのミーティングでは、Newton情報の交換などをやっているようですから(シラフの状態で (^^; )。

以下の説明はハードウェア工作の経験が豊富な人を想定しています。

 - 注意 -

  • まだ本体の保証が有効な人は、やらないほうが良いです
  • MP2Kが一度は動作不良になる、という覚悟が必要です
  • データは全て消えると思ってください

 - 準備 -

  • 静電気対策
  • 精密ドライバー(中プラス、小マイナス)
  • 高周波ドライバー(あれば)
  • 平常心(笑)

 - 手順 -

  • スタイラスペン、本体のフタ、バッテリーケース、PCカードを外す
  • 本体裏の4本のネジを外す(プラスドライバー)
  • 本体フタの付いていた側から開く。この時
    • 本体はプラスチックの爪で接合されているので本体の上側(画面側)と下側をズラす感じで開く
    • プラスチックの小さな部品が落ちるので見逃さない事(フタで隠れる位置に付いてる切込み部分)
    • ビーム部分のプラスチック部品が外れて落ちるので見逃さない事

    ※どこに付いていたのか分からなくなる部品は無いので、部品さえなくさなければ、復元できます。バネが飛び出す事もないです。

  • スタイラスペンの入り口近くに強力なツメが隠れていますのでPCスロット側の爪が外しにくいと思いますが
    • インターコネクトのフタを開く
    • フタの内側、ペン側の隙間に精密マイナスドライバーを差込む
    • 高周波ドライバーを使えばキズが付かないかもしれませんね
    • そのままドライバーをひねってツメを開く
  • ここまでで、外した部品を確認
    • プラスネジ4本
    • ビーム部分の半透明プラスチック部品(赤色)
    • 本体フタの接合部にあったプラスチック部品
    • 本体裏フタ
    • マザーボード付き本体

 

PCカードスロットをいじる場合にはマザーボード側を、ここからもう一段解体する事になります。

  • バッテリーケースと、ペンホルダーを外す。この時、基盤上を縦断している配線が邪魔になりますので、コネクタから外しておきます(マイクとスピーカーとバッテリーの3つ。場所はメモっとくように)。
  • ペンホルダーを外す時にはフィルム基盤がハガレますので後から接合する場合には慎重に戻すように。手で直接触れないように。ここがやられると、ディスプレイとタブレットが使えなくなります。最悪、接点復活剤や基盤クリーナーで戻るかもしれないけど。(すでに経験済みだったりする(苦笑))
  • あとはマザーボードをとめているネジを外せばPCスロットが顔を出すハズです。PCスロット部分にはバネ部品があって、ちょっと複雑になっているので慎重に外すこと。

 

組立ては逆順です。ツメの位置と方向を憶えておくと、次回からの分解が楽になります。

最後のネジ締めですが、なるべくバランス良く締めるようにしましょう。特にバッテリー近くのネジは、締め過ぎるとバッテリーが飛び出しにくくなりますので御注意。

(実際の手順を写真入りで掲載する予定、ちょっと待っててね)

イヤホンジャックを付ける

 - 概要 -

 さてMP2x00になってサウンドの入出力が可能になりました。録音ステーショナリーも標準で付いてますが、これを活用している人ってあまりいないんじゃないかな? 未だにLine in/out を使うことのできるコネクタも登場していないから、内蔵マイクとスピーカーで使うしかないからね。でも会議の録音やボイスメモなんて自分だけで聞くものだから、イヤホンとか欲しいですよね。

 - 方法 -

 これはコネクタさえ入手すれば簡単にできますが、RJ-11ジャックは後々のハッキングのために使わずに置いておきたいです。イヤホンごときにこのスペースを使うのは勿体ないですからね。そこでボクが通常使わない、内蔵スタイラスペンのホルダー部分を使うことにしました。

 - 作業 -

 今回の改造では本体への加工は一切行いません。イヤホンへの信号は内蔵スピーカーコネクタから取ることにして同型のコネクタを探します。パーツ屋へ行けばあるでしょうが、ボクはジャンクのPHSから取ることにしました。

京セラのPHSからコネクタを外します。このPHSには他にも貴重なコネクタが付いていて(偶然発見したのですが)、MessagePad内部のコネクタ形状と全く同じ物が入手できました。このコネクタを使った記事については別記します。

さて電気周りは単純にコネクタ差し替えで済みましたが、大変そうなのがイヤホンコネクタの設置です。かなり力の掛かる事を想定しなくてはなりませんね。

ペン収納部分は「上部ボディ」と「内部にあるプラスチックのパーツ」で挟まれる形になっていて、それを更に「下部ボディ」でペンを差し込む側から押さえ込む形で組み立てるようになっています。ここはMessagePadのボディパーツの特徴を生かすことにしましょう。この構造を利用して小型ステレオプラグを組み込みます。「下部ボディ」によって押さえつければステレオプラグが外へ飛び出る心配は無くなりますから、あとはプラグが中に入り込まないようにすれば良いわけです。

 - 完成品 -

ステレオプラグのサイズさえフィットすれば綺麗に仕上がります。

- 完成したイヤホンコネクタ -

- イヤホンを差し込んだ状態 -

- これで周りを気にせずにボイスメモを聞くことができる -

このイヤホンジャックはステレオジャックでして、実はマイクの入力も考えています。上の写真を見てもらえば分かると思いますが、このイヤホンはマイク付きなのです。

内部コネクタを探る

 - 概要 -

 京セラのPHSから外したコネクタが、偶然MessagePad内部のコネクタ形状と全く同じでした。これは天の声か?それではコネクタ仕様を調べて見ましょう。

 - 方法 -

ひたすらマザーボードの結線を睨んで、導通チェックを行います。参考にしたのは以下のサイトです。

http://www.concentric.net/~cmonica/newton/hacking.shtml

http://www.concentric.net/~cmonica/newton/MiniDin8.html

http://www.linear.com で"1323"を検索する

上の写真の丸の中、右側がAppleTalk Transceiverのチップ (LTC1323CG)で、その左にあるのが問題の32ピンコネクタです。イモリマークも見えますね。

 - 調査結果 -

さて写真上、縦長コネクタの右下側を1番として下図の用にピンアサインを決めた場合、その内容は以下の通りです。

Pin

Signal

Signal

Pin

32

GND [3,5,15,16,23]

?

16

31

GND [3,5,15,16,23]

?

15

30

GND [3,5,15,16,23]

?

14

29

GND [3,5,15,16,23]

?

13

28

?

?

12

27

?

Vcc (28)

11

26

?

PowerInPos4 [2,14]

10

25

?

?

9

24

?

SHDN (7)

8

23

?

RXDO (11)

7

22

Chan3NotDTR [12]

RXO (10)

6

21

ModemNotCTS [13]

/RXO (9)

5

20

ModemNotRTS3 [25]

/TXDEN (6)

4

19

Chan3Rxd3 [22]

TXI (5)

3

18

Chan3Txd3 [9]

TXD (4)

2

17

Chan3RI3 [24]

PortSel [10]

1
ここで(xx) は LTC1323CGのピン番号, [xx]はインターコネクトポートのピン番号を示す

の部分はまだ分かっていないピンです。予想では

・12〜16ピンにはオーディオ関係の信号

・23〜28ピンには1323のもう一つのチャンネルがアサインされている

じゃないかと考えてます。1323の使い方として下図のようにEMIフィルタを経由させるのですが、問題のコネクタ周辺にはチップ抵抗やキャパシタが集まっていましたね。しかし結線はハッキリしませんでした(下図は"CG"の付かないLTC1323の場合です)。

この辺の配線はPCMCIAカードスロットの真下を通っているので、なかなか見にくい所です。無理矢理スロットを外してみましたが多層基盤のため、表面上は配線がとぎれてしまっています。

繰り返しますが、これはボク独自の調査内容ですので間違いはあり得ます。情報をお持ちの方はお知らせ下さい。

MP2000ドック

 - 構想概要 -

発想は単純 。Duoみたいなドッキング・クレイドルが欲しいので自作してしまおうか、というところですね。

形はこんなもんでしょうか。

まあ、そのままの形です(笑)。コネクタ部分は付け根を支点に上下に首を振ることができます。MP2Kのコネクタを差し込む時にはコネクタを上向きにしなくてはなりませんからね。

MP2Kのインターコネクトポートというのは

ドッキング検出・他デバイスへの電源供給・電源入力

オーディオの入出力・シリアル(Keyboardも含む)接続

と5つの機能を持っているのですが、このうちの3つを使ってMacとの接続を行うというのが、このクレイドルの構想です。

こんなことができるようになります(真ん中がクレイドル)

・外出から帰ってきてクレイドルのコネクタにさし込み、MP2Kを横たえて充電開始

・レコーディングステーショナリーで取材してきた情報を再生してMacに吸い上げる。オーディオ信号なのでサウンドブラスター内蔵のPCでもOK。

・Mac/PC側から音源を流し込んで、記録する

・クレイドルにはNewtonKeyboardが接続されているので、ドックインと同時にKeyboardに接続される


 - ハード設計 -

さてハードウェアを設計してみましょう。

ははは、大上段に構えた割りには設計というほどの図面じゃなかったッスね (^^;;

これじゃ面白くないので、LineOutレベルのオーディオ信号をスピーカーで鳴らせるレベルにまで持ち上げましょう。クレイドルに内蔵スピーカーを持たせても面白そうです。

左側の入力がMP2KのLineOutから来てます。出力には8オームのスピーカーが使えます。電源が問題ですが。インターコネクトポートからMP2Kに供給する電圧は6.75〜7.50ボルトなので、別系のDC-DCコンバータを内蔵すれば大丈夫でしょう。8ボルトで1W程度。2W出すには12ボルトぐらい必要になりますね。チップは、お馴染みのLM380です。

http://www.national.com/ds/LM/LM380.pdf


 - 必要なソフトウェア -

ドック・インしてすぐにキーボードが使いたいので、「DockInを検知して、キーボードを認識する」という仕組みがあったほうが便利ですね。

簡単にはリセットをかけちゃうという作戦もあります (^^)

ただ他にも、DockInと同時にオーディオの入出力先をMac側に自動切り替えしたいですから、ちゃんとやってあげたほうが良いでしょうね。

インターコネクトポートの機能としてDocking検出が用意されているので、DockInを検知して動作する部分をうまくインターセプトしてあげれば良いと思います。同様にDockOutも検出できます。


 - 発展形 -

コネクタ部分だけを切り出して、ヘッドセットを接続するということも考えられますよ。

はっきり言って、使うのは勇気がいりますが ... (^^;

 

感想や助言は大歓迎

 

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